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2022.3.30

2022/03/30 輝く子どもたち特集④

~2021年度 学園だより 7月号より~

『水泳の授業を通して』   田淵 航(1,5年体育担当)

水泳の授業は、どの学年の子どもたちにとっても、大変刺激的な時間です。水中は、普段感じられない抵抗を肌で感じたり、水の性質を身をもって体験したりできる場でもあります。水の性質を快と感じる子がいる一方、呼吸のしにくさや足が地についていないことから苦痛や不安を感じる子も少なくありません。水の脅威から自らの命を守るための術を覚えることも、感染症から子どもたちを守ることも、同時にやっていかなければならないことだと昨年水泳ができなかったことでより深く感じます。

1・2年生は、水遊びを通して水への恐怖心をとることから指導が始まります。そして、3年生でのけのびや呼吸法の学習を経て、4年生からは『平泳ぎ』『クロール』である程度続けて泳ぐことが求められるようになるため、技術的な差、個々の習得のスピードにも大きな違いが出てくることがあります。

水泳の授業を通して「豊かなスポーツライフの実現」に向け、「自己保全能力の獲得」を卒業までに身につけさせたいと考えています。水と共存すること、生活の中での不慮の事故を減らすこと。子どもたちに広い意味での泳ぐ力を身につけさせたいと考えております。昨シーズンは全くプールに入ることができなかったこともあり心配していましたが、どの学年の子どもたちも、できるようになったことを心から喜び、伸び悩んでいる子に丁寧に教えてくれています。日々その差を仲間との学び合いで埋めているように感じます。

先週水曜日のこと、始めのうちは平泳ぎの「かえる足」ができず、何度キックしても、「あおり足」になってしまう子がいました。バスマットに上半身を預け、キックに焦点を絞れるように練習しているところ、グループのコーチが粘り強く声をかけてくれることによってコツをつかみ、見事ビート板に上がれるようになりました。歓喜の瞬間も横でコーチが見届けてくれ、喜びを一緒に分かち合っていました。自分と向き合いコツコツと地道に練習したこと、できるようにしてあげたいと熱意を持ち教えてくれた仲間。信念を持って貫くこと、できるまでこちらもあきらめてはいけないことを改めて子どもから教わりました。

1年生では、水が嫌で入りたくないと表情が曇っていた子が、「できるようになることが増えてきて嬉しい」と、自らの課題に何度も挑戦してくれています。水泳を通して大小様々な発見が日々あります。子どもたちの思いや願いを大切に、あせらず段階的に、これからも授業をしていきたいと思っています。

 

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